明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。このホームページは、「吉祥寺報」という檀家さん向けの新聞(第67号)の内容を、一部改訂して発信しています。新聞は季刊で発行しています。
さて、清水寺で行われる昨年一年の世相を表す漢字一文字は、「命」でした。この寺報でも命の大切さを発信しましたが、その後もいじめによる自殺や殺人事件が多発しました。その一方では「臓器売買」も報道され、「命」の問題がクローズアップされた一年だったと思います。それで「命」の問題についてもう少し続けて発信しようと考えていたところ、拙寺の若和尚夫妻に予定日より二週間早く、十二月二十四日に長男が誕生しました。
今まではお寺にとっては世間並みに「イブ」を楽しむ訳にはいかず、これで二十四日は誕生日として楽しむことができるようになりました。冗談はさておき、長男の誕生を喜んでいた矢先、拙寺に十五年前に拾われてきた猫「カルラ」が、三十日の夜家族にみとられながら静かに死にました。それで「いじめによる自殺」や「臓器売買」の問題は次の機会に譲って、今回は拙寺の猫の話をしたいと思います。
何故たわいもない事をと思われるでしょうが、二年半前、若和尚夫妻に長女が誕生したときには、十八年飼っていた犬「ゴン」が同じ月に死にました。何か不思議な命の縁を感じるものがあったからです。そのときの「吉祥寺報(第60号)」の控えを引っ張りだして読んでみると、「わが寺にとって、人と犬との違いこそあれ、ひとつの命が消えて、新たにひとつの命が生まれる般若心経にいうところの『不生不滅、不垢不浄、不増不減』を感ずる」と書いてありました。今回は猫ですが。
法話に来ていただく近くのお寺さんのところも猫をかわいがり、「家人は親が亡くなってもあまり悲しまないが、猫が死んだら悲しむ」と聴衆を笑わせていますが、まさにペットの癒し効果は抜群です。
お寺にはいろんな動物が捨てられてきます。猫や犬はよくあることですが、うさぎや鶏、リスなどもありました。拙寺の家人はみんな動物好きですので見て見ぬふりができず、飼うはめになるのですが飼うのが大変です。それで今では家人ひとりひとりに「マイ猫」がいます。
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